コースト・スターライト号 ①準備編
ポートランドからサンフランシスコへ
さて、我々が利用したのが、「Coast Starlight(コースト・スターライト)号」。アメリカの西海岸、シアトルとロサンゼルスの約2200キロを35時間で結ぶ路線だ。
現在オレゴン州ポートランドで暮らす我々は、この路線のポートランドからサンフランシスコの約1200キロの区間に乗ることにしたので、乗車記をもとにご紹介していきます。
実は、サンフランシスコ行きの予定を1週間後にひかえていた我々、当初は飛行機、レンタカー、バス、アムトラック・・・交通手段をどれにするかで迷っていた。
飛行機なら2時間ほどだが、直前の予約なので少し高い。バスは17時間半だが、深夜着なので不便。レンタカーは安いが、到着後は疲れ切って行動できない・・・。
いろいろ考えた結果、アムトラックという結論にたどり着いたのだった。
座席の種類
コースト・スターライトでは、座席の種類は大きく3種類。ただし、購入時期によって料金は5種類ある。
さらに座席については、普通席の「Couch(コーチ)」、ビジネスクラスの「Business」、そして寝台個室の「Premium」がある。
アムトラックのホームページはこちら。
Amtrak Tickets, Schedules and Train Routes
まず、コーチクラスから。普通席といっても、日本の新幹線よりも座席幅は広い!2列シートなので、お隣に乗客がいなければ横になって寝ることも可能か。
我々も最後の最後までコーチにするか、寝台にするか悩んだ。サンフランシスコ到着が午前8時ごろ。そこから観光をスタートするにはさすがに座席で一晩過ごすのはつらいか・・・と判断。
でも、コーチクラスは寝台より圧倒的に安い。体力に自信のある人にはオススメです。
さらに、コーチは購入時期や予約後の払い戻しが出来るかどうかで3種類の料金に分かれています。
ポートランドからサンフランシスコ区間なら、1人あたり$73~$175と大きな幅が。旅程が確定している場合は、早めに購入すべし!
そもそも、アムトラックの料金は残席がどのぐらいあるかで料金が変動している。なのでビジネスも料金に幅があるので、オンラインで確認して安い日を選ぶべし!
続いて寝台
はっきり言って・・・快適!
一人旅で利用すると個室は割高だが、カップルで旅するにはお得だし、なにより理想の空間だと思う。
個室寝台もいくつか種類がある。
一番安いのが「Superliner Roomette(ルーメット)」。我々もこれを利用した。
向かい合って座るシートで、寝る時はこの両座席を倒せば下段のベッドが完成。上段のベッドは窓の壁に収納されているので、これも倒すだけでOK。
室内にトイレやシャワーはないが、2人で過ごすには十分な空間。前述の通り、料金も購入時期で大きく変わるが、2人で$350~$560ほど。チケットを安く購入できればお得です。
これより高い寝台個室には、「Family Bedroom」と「Superliner Bedroom」があります。ファミリー用は大人用ベッド2台、子ども用が2台。家族でワイワイ旅するには最適。
「スーパーライナー」は最上位クラス。2人並んで座ることもでき、頑張れば3人での利用も可能。シャワー、トイレ、洗面所までついていて、優雅な旅をしたいひと向け。
Wi-Fiについて
ここで我々の体験を。実は、「Wi-Fiが使える!」と思っていたら大きな落とし穴があったのだ。
事前にネットで調べていたときは「全車両でWi-Fi利用可能」という情報だったのだが、我々が乗ったコースト・スターライト号でさくさくとフリーWi-Fiが使えたのはビジネスクラスだけだった。
各車両にWi-Fiのパスワードが貼ってあったので、当然使えると思っていたのに・・・。
確かにアムトラックの公式HPにも「フリーWi-Fiアクセス」と書いてあるのはビジネスだけ。ただ、ビジネスクラスの車両に近い車両では微弱ながら電波を拾えた。
我々の寝台個室でも、ときどきメールを受信したけれど、それ以外はまったくダメ。どうしてもネットを使いたいときは、ビジネスクラスの車両まで行った。
我々のコースト・スターライト号だけが偶然電波が悪かったのかどうかは何とも分からないが、車内でネット環境が必須のひとは要注意です。
いざ、乗車!
と、ここまではチケット購入に向けての準備編。
英語に自信がない人でも(私たちも英語がペラペラではありませんので・・・)、アムトラックのオンラインサイトでのチケット購入は難しくないと思います。
区間、日付、人数、座席クラスなどを指定していき、名前、連絡先、クレジットカード番号を入力して支払い終了。バーコードのついた予約シートをプリントアウトするか、当日携帯の画面を見せるかだけ。
分からない単語は調べれば何とかなるし、駅員や車掌さんとも「鉄道を愛する者同士!」という強い絆で、なんとか理解してくれるはず!実際、とてもフレンドリーです。
では、実際に我々の乗車記をつづっていきます。
少しでもイメージが膨らみ、アムトラックの旅の参考にしていただければ幸いです。
(なお)
乗車編に続く